私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
煌は面白そうに目を光らせる。
黒服の人間というのは尊のことだ。
どうやら彼は尊と私が知らない間に対戦したようだ。
映像を見た感じでは尊の動きはいつもと変わりない。そのことに安堵する。
多分、怪我もしていないだろう。
でも……ここに来たら生きては帰れない。
お願いだから、ここにこないでみんな!
心の中で必死に祈るが、尊たちは鬼を倒して前へと進む。
「私に殺されるとわかっててここに来るのだから本当に愚かな奴らだ。まあ、いい暇つぶしにはなるが」
しばらくすると、周囲が賑やかになって来た。
尊たちがここにやってくる。
来てはいけないのに……。
どうしたら尊たちを助けられる?
どうしたら……あっ。
私の血を取り引きに使えばいい。
これは賭けだ。
うまくいけば尊の命を救える。
「ねえ、取り引きしない?」
煌に声をかけると、彼は私を見て目を細めた。
「取り引き?」
「あなたに私の血をあげるから、私の仲間に手を出さないで欲しいの。私の血は美味しいらしいし、あなたも味わってみたいんじゃないの?」
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