私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
自分の身体を見ると、お腹が膨れていた。
こんな姿、誰にも見せられないわ。
手拭いを持って浴室に入ると、六畳くらいの大きな檜のお風呂がある。
身体を洗うと内風呂に入った。
お湯は乳白色で、微かに桃の香りがして気持ちがいい。
「ああ〜、いい気持ち」
本宅にも温泉があったらいいんだけど。
でも、毎日温泉だったら有り難みがなくなるか。
しばらく湯に浸かっていたが、露天風呂にも入りたくなった。
尊に釘を刺されたけど、今は風の音はしないし大丈夫だろう。
内風呂を出て、隣にある露天風呂に向かう。
露天風呂風呂は岩風呂で周囲は木で囲いがしてあり、足元にはランプがいくつか置かれていた。
満天の星空に心が和む。
田舎ではないとこんなに多くの星は見えない。
「空から星が降ってきそう」
フッと笑みを浮かべ、岩風呂に入ると、身体が気泡に包まれた。
ここのお湯は青く、炭酸泉で、飲むと少ししょっぱい。
「濁り湯もいいけど、私は透明のお湯の方が好きだな」
< 72 / 241 >

この作品をシェア

pagetop