私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
「みこ…⁉︎」
「静かに!」
尊と叫ぼうとしたのに誰か男性に背後から口を押さえられ、ビクッとする。
「ちょっと聞きたいんだけど、赤鬼倒したのって誰?」
声は若いが聞いたことがない。
背後にいるのは誰?
いずれにしても入浴中の女の子を襲うなんて許せない。
相手の手を思い切りガブッと噛めば、「いてっ!」と呻き声がした。
すかさずその男から離れようとするも、腕を掴まれる。
「こらこら逃げないの」
ニヤリと笑うその男は髪は肩まであり、金と黒の市松模様の腰丈の着物を着ていて、背は尊くらい。
細身だがその肉体は鍛え上げられていて動きは俊敏だ。
「いや!離して!」
手拭いで胸元を押さえながら抵抗するが、振り解けない。
「入浴中の婦女子を襲うなんて卑怯よ!」
キッと睨みつけたら、男は口角を上げた。
「いいね。その目。水瀬家のお嬢ちゃんは美人だって聞いてたけど、噂通りだな」
私が水瀬家の者と知っている。
この男は一体何者なのだろう。
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