HONEYBEE(2)~ハイスぺ社長と二度目のウエディングベル~
「その歩き方は何だ?」
「充斗貴方のせいだから…」

彼に抱き尽くされたカラダはクタクタだった。
のろのろ歩く私を放り出し、先に歩いていた充斗が後ろを振り返って、私の亀歩きを笑う。

「・・・貴方のせいだからね…」

「分かった分かった…」
充斗は生返事を二度繰り返してまた笑う。
ようやく彼に追いついた。
私は彼の態度に腹を立てて、パンプスで靴を思いっきり踏みつけてやった。

「葵お前…!?」

彼は大声で名前を呼んで、抗議しようとした瞬間、目の前のエレベーターのドアを開く。

「ほら、行くわよ」

私は彼の袖を掴み、エレベーターへと乗せる。
充斗はまた笑った。私は彼に笑われてばかり。
「…やっぱりお前と居たら、面白い…俺には葵しか居ない」
でも、いつも怒った顔に見えていた充斗の笑顔を見ていると目が離せなくなる。
やっぱり、私には彼しかいないと思ってしまった。



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