耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
「それでね、神谷さんすごいびっくりして、何度も『ほんとに?本当に二十一?』って訊いてくるんだよ!」
美寧は、「私の方が年上なのに……」と呟いてむくれている。
美寧の歳を知った神谷は、『二十一?年上!?マジで!?嘘でしょ
……』としばらくショックを受けたように呟いていた。
神谷は大学二回生。誕生日を迎える前で十九歳らしい。
自分が成人していて彼より年上だということがそんなにショックなのか、と流石の美寧も怒りを通り越して悲しくなってくる。
「ナギさんといい神谷さんといい、あんまりだよ………」
低い背と華奢な体のせいで幼く見られがちな美寧は、内心それを気にしているようだった。
何を隠そう、怜も一番最初、公園で倒れている美寧を連れ帰って介抱した時、彼女のことを中学生くらいだと思っていた。それくらい彼女は細かったのだ。
「だから初めて会った時、私のこと『オープンキャンパスに来た高校生』だと思ったみたい。アルバイトもマスターの親戚でお手伝いに来てるだけだと思ってたって………」
ぷぅっと膨らませた頬がしぼむと同時に、美寧の眉がシュンと下がる。
「でも確かに神谷さん、ラプワールのお仕事もすぐに覚えちゃって年下には思えないくらいしっかりしてるの……私が何度も失敗したことも、すぐに出来るようになっちゃったし」
“労働”というものを家の中でもしたことのなかった美寧には、喫茶店のアルバイトも分からないことだらけだった。それを根気よく丁寧に一から教えたのはマスターで、そのことからも彼が本当に美寧のことを可愛がっていることが分かる。
美寧は「はぁっ」とため息をついてから言う。
「一緒に働く時間はちょっとしかないんだけど、私が教えることってもうあまりないの……」