耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
土曜日以外はほとんど入れ替わりのようなシフトで働く美寧と神谷。
最初の頃こそ、物の場所や使い方などを逐一説明しなければならなかったけれど、それも一週間を過ぎたあたりからぐっと減り、二週間経った今ではほとんど教えることはない。
自分の方が年上でアルバイト歴も長いのに、こんなに短期間で神谷に追い付かれてしまい、やっと持ち始めた自信がぐらぐらと揺らいでしまう。
もう一度深くため息をついた時、怜の手が美寧の頭にポンと乗せられた。
いつの間にか俯きがちになっていた顔をパッと上げると、向かいから伸びた手がポンポンと頭の上で二度跳ねた。
励まされたのだとすぐに分かって、「ありがとう。頑張るね」と両手で握りこぶしを作ってみる。
「ミネはいつも十分すぎるほど頑張っていますよ」
「………ありがと、れいちゃん」
「無理はしないでくださいね。あと………」
「あと?」
続きをなかなか口にしない怜に、美寧が小首を傾げる。
「………気を付けてくださいね」
「ん?気を付ける?………あっ!うん。分かってる。行きも帰りも十分気を付けてるよ?また駅の向こうで怪しい人を見たんだって、商店街で噂になってるもん。お遣いで行った時に《《やお丸》》のおじさんから聞いたの」
「明るい時しか公園を通らないようにするね」と続ける美寧。怜は眉を少し下げて微苦笑を浮かべている。
「あっ!だからなの?昨日もラプワールにお迎えに来てくれたのは」
ここのところ、怜が休みの日や帰りが早い日にラプワールに顔を出すことが増えた。
大抵美寧のアルバイトが終わる三十分くらい前なので、コーヒーを飲み終わった怜と一緒に帰ることになる。美寧は怜と一緒に帰れることが嬉しいばかりで、その理由にまったく気付かなかった。
「それも、ありますが……」
「ありがと、れいちゃん。でも大丈夫だから!マスターもなんだかすごく心配してくれてて、このまま不審者騒ぎが収まらなかったら、少し早めに帰らせてくれるって言ってたよ」
「………そうですか、その方が良いかもしれませんね」
「うん。でもまだ帰りは明るいから大丈夫!」
笑顔でそう言った美寧に、怜はやっぱり眉を下げたままだった。
最初の頃こそ、物の場所や使い方などを逐一説明しなければならなかったけれど、それも一週間を過ぎたあたりからぐっと減り、二週間経った今ではほとんど教えることはない。
自分の方が年上でアルバイト歴も長いのに、こんなに短期間で神谷に追い付かれてしまい、やっと持ち始めた自信がぐらぐらと揺らいでしまう。
もう一度深くため息をついた時、怜の手が美寧の頭にポンと乗せられた。
いつの間にか俯きがちになっていた顔をパッと上げると、向かいから伸びた手がポンポンと頭の上で二度跳ねた。
励まされたのだとすぐに分かって、「ありがとう。頑張るね」と両手で握りこぶしを作ってみる。
「ミネはいつも十分すぎるほど頑張っていますよ」
「………ありがと、れいちゃん」
「無理はしないでくださいね。あと………」
「あと?」
続きをなかなか口にしない怜に、美寧が小首を傾げる。
「………気を付けてくださいね」
「ん?気を付ける?………あっ!うん。分かってる。行きも帰りも十分気を付けてるよ?また駅の向こうで怪しい人を見たんだって、商店街で噂になってるもん。お遣いで行った時に《《やお丸》》のおじさんから聞いたの」
「明るい時しか公園を通らないようにするね」と続ける美寧。怜は眉を少し下げて微苦笑を浮かべている。
「あっ!だからなの?昨日もラプワールにお迎えに来てくれたのは」
ここのところ、怜が休みの日や帰りが早い日にラプワールに顔を出すことが増えた。
大抵美寧のアルバイトが終わる三十分くらい前なので、コーヒーを飲み終わった怜と一緒に帰ることになる。美寧は怜と一緒に帰れることが嬉しいばかりで、その理由にまったく気付かなかった。
「それも、ありますが……」
「ありがと、れいちゃん。でも大丈夫だから!マスターもなんだかすごく心配してくれてて、このまま不審者騒ぎが収まらなかったら、少し早めに帰らせてくれるって言ってたよ」
「………そうですか、その方が良いかもしれませんね」
「うん。でもまだ帰りは明るいから大丈夫!」
笑顔でそう言った美寧に、怜はやっぱり眉を下げたままだった。