耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
「いくら『いい相手』でも、僕は嫌だ、自分が好きになった人と将来結婚したいんだ———そう言い返したら、『こどものおまえに何が分かるんだ。世の中はそんなに甘くない』『おまえも大人になったら分かるだろう』って言われてさ」
そこまでハッキリと自分の意見を言ったのに、バッサリと切り捨てられた颯介の気持ちも分からなくはない。
大人から頭ごなしに『こどもだから』と言われてしまえば、どんなに納得のいかないことでも、“こども”の自分はそれをのまなければいけないような気がしてしまう。
颯介も、両親を含む周りの大人たちから『じいちゃんの顔を立てて、一度だけでも会いなさい』と言われて、最終的にはしぶしぶ頷いたという。
「せめてもの反抗に、見せられた“許嫁”の写真や釣書は一瞬しか見なかった。………でも名前は覚えていたんだ。じいちゃんから聞いた時びっくりしたから」
握りしめた美寧の手が震えているのをじっと見つめたまま、颯介は続ける。
「『なんでこんな大企業のご令嬢のお相手が僕なんだろう』って。確かに僕んちは私立学校を経営してるけど、そこを継ぐのは兄だし……不思議に思ってじいちゃんに訊いたら『お前は相手の家に入る約束だ』って」
そこまで言うと颯介は、丸っこい瞳をギュッとしかめた。
「『冗談じゃない!』って怒ったよ。今度こそ本気で。本人になんの断りもなく、許嫁と婿養子まで決められたらたまったもんじゃないだろ?」
同意を求めるように問いかけながらも、颯介は美寧の返事など聞かずにどんどん話しを続けていく。
「だけど、顔合わせの直前、許嫁との顔合わせは延期になった。相手の体調不良だって聞いた。それから変更になった見合いの日にちはいつまで経っても決まらない。正直僕はこのままでいいかな、って思ってた。見合いがうやむやになった方がいいって。だって、会ったときに相手に断ってもらうように頼もうと思ってたから」
「でも、君に初めて会った時からずっと何かが引っかかってた……どこかで会ったことがあるような気がして仕方なくて………それでふと思ったんだ『許嫁の名前も“美寧”だったな』って」
美寧が息を呑む。
「どうしても気になって、実家に帰って確かめたんだ。“許嫁”の写真を」
真っ青な顔で小さく震える美寧に、颯介が言った。
「そこに写っていたのは———君だった。当麻美寧ちゃん」
そこまでハッキリと自分の意見を言ったのに、バッサリと切り捨てられた颯介の気持ちも分からなくはない。
大人から頭ごなしに『こどもだから』と言われてしまえば、どんなに納得のいかないことでも、“こども”の自分はそれをのまなければいけないような気がしてしまう。
颯介も、両親を含む周りの大人たちから『じいちゃんの顔を立てて、一度だけでも会いなさい』と言われて、最終的にはしぶしぶ頷いたという。
「せめてもの反抗に、見せられた“許嫁”の写真や釣書は一瞬しか見なかった。………でも名前は覚えていたんだ。じいちゃんから聞いた時びっくりしたから」
握りしめた美寧の手が震えているのをじっと見つめたまま、颯介は続ける。
「『なんでこんな大企業のご令嬢のお相手が僕なんだろう』って。確かに僕んちは私立学校を経営してるけど、そこを継ぐのは兄だし……不思議に思ってじいちゃんに訊いたら『お前は相手の家に入る約束だ』って」
そこまで言うと颯介は、丸っこい瞳をギュッとしかめた。
「『冗談じゃない!』って怒ったよ。今度こそ本気で。本人になんの断りもなく、許嫁と婿養子まで決められたらたまったもんじゃないだろ?」
同意を求めるように問いかけながらも、颯介は美寧の返事など聞かずにどんどん話しを続けていく。
「だけど、顔合わせの直前、許嫁との顔合わせは延期になった。相手の体調不良だって聞いた。それから変更になった見合いの日にちはいつまで経っても決まらない。正直僕はこのままでいいかな、って思ってた。見合いがうやむやになった方がいいって。だって、会ったときに相手に断ってもらうように頼もうと思ってたから」
「でも、君に初めて会った時からずっと何かが引っかかってた……どこかで会ったことがあるような気がして仕方なくて………それでふと思ったんだ『許嫁の名前も“美寧”だったな』って」
美寧が息を呑む。
「どうしても気になって、実家に帰って確かめたんだ。“許嫁”の写真を」
真っ青な顔で小さく震える美寧に、颯介が言った。
「そこに写っていたのは———君だった。当麻美寧ちゃん」