耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
落ち込んだ様子の妹の姿に、聡臣が語気を和らげ言う。
「美寧———僕達だけじゃない。本当は父さんだって心配して、」
「うそっ!」
「美寧………?」
反射的に上げた声に、兄が困惑している。
それが分かっているのに、美寧は自分で感情が制御できない。
「心配なんてうそよっ!怒っている、というなら分かる……でも心配なんてしない。だって……だって、お父さまにとって私なんて居ても居なくても一緒だものっ」
荒ぶる感情のまま立ち上がったはずみでローテーブルに脚が当たり、ガラス容器の中の金平糖がカラリと音を立てる。
「美寧っ、決してそんなことは、」
聞きたくないと云う風に頭を振る美寧に、聡臣が「美寧、ちゃんと聞くんだ。父さんは、本当はお前のことをちゃんと、」
「聡臣———」
低く落ち着いた声が、聡臣の言葉を遮った。
ここに来てから初めて聞く父の声に、美寧は身を固くした。父総一郎はまっすぐに美寧の方に向き直った。
目が合った。
父と視線を合わせるのはいつぶりだろう。そんなことも分からない。
「美寧———」
父に呼ばれ、美寧の背中がピクリと跳ね上がる。
けれど、宥めるようにポンポンと背中を叩いてくれる怜の手に、少しだけ落ち着きを取り戻した美寧は、もう一度ソファーに腰を下ろした。
背筋を伸ばしお腹に力を入れ、膝の上で重ねていた両手を固く手を握りしめる。
美寧は顔を上げ、父と対峙した。
逸らすことなくまっすぐに見据えてくる美寧の瞳に、父の瞳が一瞬眩しそうに細められた。
父の表情に美寧が違和感を感じた時、父がゆっくりと口を開いた。
「美寧———僕達だけじゃない。本当は父さんだって心配して、」
「うそっ!」
「美寧………?」
反射的に上げた声に、兄が困惑している。
それが分かっているのに、美寧は自分で感情が制御できない。
「心配なんてうそよっ!怒っている、というなら分かる……でも心配なんてしない。だって……だって、お父さまにとって私なんて居ても居なくても一緒だものっ」
荒ぶる感情のまま立ち上がったはずみでローテーブルに脚が当たり、ガラス容器の中の金平糖がカラリと音を立てる。
「美寧っ、決してそんなことは、」
聞きたくないと云う風に頭を振る美寧に、聡臣が「美寧、ちゃんと聞くんだ。父さんは、本当はお前のことをちゃんと、」
「聡臣———」
低く落ち着いた声が、聡臣の言葉を遮った。
ここに来てから初めて聞く父の声に、美寧は身を固くした。父総一郎はまっすぐに美寧の方に向き直った。
目が合った。
父と視線を合わせるのはいつぶりだろう。そんなことも分からない。
「美寧———」
父に呼ばれ、美寧の背中がピクリと跳ね上がる。
けれど、宥めるようにポンポンと背中を叩いてくれる怜の手に、少しだけ落ち着きを取り戻した美寧は、もう一度ソファーに腰を下ろした。
背筋を伸ばしお腹に力を入れ、膝の上で重ねていた両手を固く手を握りしめる。
美寧は顔を上げ、父と対峙した。
逸らすことなくまっすぐに見据えてくる美寧の瞳に、父の瞳が一瞬眩しそうに細められた。
父の表情に美寧が違和感を感じた時、父がゆっくりと口を開いた。