耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
初産から約六年経っているとはいえ、清香はまだ二十九歳。
普通であれば体力的にも全然問題のない出産になったはずだが、出産途中で胎児の旋回異常が分かり、その上胎児の首にへその緒が巻き付いていたため急遽帝王切開になった。
長い時間の陣痛と帝王切開で体力を消耗してしまい、産後の肥立ちが思わしくない清香は、体を崩しがちになる。それでも、仕事に忙しい夫と幼稚園に通う息子のために、里帰りをせずに出産後も自宅にいた。
そんな中、一歳を迎えたばかりの美寧が気管支炎を患ったことで、母娘二人で空気のきれいな榮達の家で療養することになった。
実家に療養に帰ってきた娘に、最初は渋い面持ちだった榮達。けれど、娘そっくりの孫娘にほだされ、すぐに美寧のことを溺愛するように。
清香と美寧が実家に帰っている間、総一郎は時間を見つけては聡臣を連れて二人に会いに行った。
高速道路を使って片道二時間。
連休の時などは、初日に聡臣は置いて自分は日帰りで仕事に戻り、また最終日に迎えに来る。どうかしたら一人で日帰りをすることもあった。
滞在時間三時間。だとしても、総一郎にとって、妻の顔を見られるだけでその労力は十分報われる。それくらい彼は清香のことを愛していたのだ。
二年ほどそんな生活をした後、転機がやってきた。
美寧の幼稚園入園を機に、清香は自宅に戻ることにしたのだ。
榮達がそれを渋ったのは想像に難くない。けれど清香は頑として『戻る』と言い張った。
娘の頑固さは誰に似たのかと、榮達のついたため息に気付かぬふりをして、清香はその年の初めに自宅に戻っていった。
自宅に戻った清香は、それまでを取り戻すかのように“大企業の後継者の妻”としての役目に励んだ。それこそ総一郎が心配になるくらいに。
何度『無理をしないで』と言っても清香は聞かない。それどころか、『留守の間に浦島太郎になっちゃったみたい』と笑いながらも積極的に社交に出た。躍起になっているようにも見えた。
普通であれば体力的にも全然問題のない出産になったはずだが、出産途中で胎児の旋回異常が分かり、その上胎児の首にへその緒が巻き付いていたため急遽帝王切開になった。
長い時間の陣痛と帝王切開で体力を消耗してしまい、産後の肥立ちが思わしくない清香は、体を崩しがちになる。それでも、仕事に忙しい夫と幼稚園に通う息子のために、里帰りをせずに出産後も自宅にいた。
そんな中、一歳を迎えたばかりの美寧が気管支炎を患ったことで、母娘二人で空気のきれいな榮達の家で療養することになった。
実家に療養に帰ってきた娘に、最初は渋い面持ちだった榮達。けれど、娘そっくりの孫娘にほだされ、すぐに美寧のことを溺愛するように。
清香と美寧が実家に帰っている間、総一郎は時間を見つけては聡臣を連れて二人に会いに行った。
高速道路を使って片道二時間。
連休の時などは、初日に聡臣は置いて自分は日帰りで仕事に戻り、また最終日に迎えに来る。どうかしたら一人で日帰りをすることもあった。
滞在時間三時間。だとしても、総一郎にとって、妻の顔を見られるだけでその労力は十分報われる。それくらい彼は清香のことを愛していたのだ。
二年ほどそんな生活をした後、転機がやってきた。
美寧の幼稚園入園を機に、清香は自宅に戻ることにしたのだ。
榮達がそれを渋ったのは想像に難くない。けれど清香は頑として『戻る』と言い張った。
娘の頑固さは誰に似たのかと、榮達のついたため息に気付かぬふりをして、清香はその年の初めに自宅に戻っていった。
自宅に戻った清香は、それまでを取り戻すかのように“大企業の後継者の妻”としての役目に励んだ。それこそ総一郎が心配になるくらいに。
何度『無理をしないで』と言っても清香は聞かない。それどころか、『留守の間に浦島太郎になっちゃったみたい』と笑いながらも積極的に社交に出た。躍起になっているようにも見えた。