耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
「れいちゃん………」
小さく呼びかけると、怜が「ん?」と少し首を傾げて美寧の顔をのぞき込んでくる。
美寧は怜の瞳をまっすぐに見つめ、言った。
「おかえりなさい、れいちゃん」
それは、美寧が昨日の昼間、怜が帰ってきた時にはちゃんと言おう、と心に決めていた言葉。
不思議そうな顔をする怜に、「昨日はちゃんと『いってらっしゃい』出来なくて、ごめんなさい」と謝る。
美寧が言わんとすることが分かった怜が、「ミネも。おかえりなさい」と微笑んだ。
いつもの優しい微笑みに、美寧もつられて笑顔になる。気持ちがふわっと軽くなり、自然に口から言葉がこぼれ出した。
「ありがとう。私のこと、好きになってくれて、大切にしてくれて———大好き、れいちゃん」
すぐそばにある怜の唇に、美寧は自分のものをすばやく重ねた。
押し付けるように重ねた後、さっと離れる。
怜は両目を見開いて動きを止めていたが、眉間にしわを寄せ、何かに耐えるように口を引き結んだ。
その表情は、困っているようにも怒っているようにも、そして、泣き出しそうにも見えて———。
(れいちゃん………?)
美寧は自分からキスをしたことも忘れて、怜の顔をじっと見上げた。
怜はそんな美寧の視線をさえぎるように目を閉じる。少しの間じっとそうしていたが、ゆっくりと瞼を持ち上げた。
「あなたってひとは……本当に………」
「れいちゃん………?」
「いつもそうやって無自覚に俺を煽って………」
「あおる……?」
「ええ。煽って火をつけて……言ったでしょう?『俺は欲張りになった』と。あなたに触れれば触れるほど、もっと欲しくなる。手に入れてしまえば、今度は失うのが怖くなる。大事にしたいと思うあまり、力を入れ過ぎて潰してしまうかもしれない………俺はそれが怖い。なのに、そんな俺の作った壁を、あなたは一瞬で壊してしまう」
そう言って怜は顔を歪めた。それはとても苦しそうで、美寧は思わず声を上げていた。
小さく呼びかけると、怜が「ん?」と少し首を傾げて美寧の顔をのぞき込んでくる。
美寧は怜の瞳をまっすぐに見つめ、言った。
「おかえりなさい、れいちゃん」
それは、美寧が昨日の昼間、怜が帰ってきた時にはちゃんと言おう、と心に決めていた言葉。
不思議そうな顔をする怜に、「昨日はちゃんと『いってらっしゃい』出来なくて、ごめんなさい」と謝る。
美寧が言わんとすることが分かった怜が、「ミネも。おかえりなさい」と微笑んだ。
いつもの優しい微笑みに、美寧もつられて笑顔になる。気持ちがふわっと軽くなり、自然に口から言葉がこぼれ出した。
「ありがとう。私のこと、好きになってくれて、大切にしてくれて———大好き、れいちゃん」
すぐそばにある怜の唇に、美寧は自分のものをすばやく重ねた。
押し付けるように重ねた後、さっと離れる。
怜は両目を見開いて動きを止めていたが、眉間にしわを寄せ、何かに耐えるように口を引き結んだ。
その表情は、困っているようにも怒っているようにも、そして、泣き出しそうにも見えて———。
(れいちゃん………?)
美寧は自分からキスをしたことも忘れて、怜の顔をじっと見上げた。
怜はそんな美寧の視線をさえぎるように目を閉じる。少しの間じっとそうしていたが、ゆっくりと瞼を持ち上げた。
「あなたってひとは……本当に………」
「れいちゃん………?」
「いつもそうやって無自覚に俺を煽って………」
「あおる……?」
「ええ。煽って火をつけて……言ったでしょう?『俺は欲張りになった』と。あなたに触れれば触れるほど、もっと欲しくなる。手に入れてしまえば、今度は失うのが怖くなる。大事にしたいと思うあまり、力を入れ過ぎて潰してしまうかもしれない………俺はそれが怖い。なのに、そんな俺の作った壁を、あなたは一瞬で壊してしまう」
そう言って怜は顔を歪めた。それはとても苦しそうで、美寧は思わず声を上げていた。