耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
美寧は必死に怜の手を押さえて、首を左右に振った。ぎゅっと固くつむった瞳から涙が滲む。

「ミネ………」

伺うように名前を呼ばれるけれど、美寧はそのまま「いやいや」をくり返す。滲んだ涙が耳元に流れ落ちた。

「———嫌?俺に触れられたくない……?」

怜はそう言ったきり、動きを止めている。
美寧は固く閉じていた瞳を、おそるおそる開いた。

濡れたように光る瞳が、美寧の真上にあった。

熱のこもった瞳は、ただまっすぐに美寧に注がれている。
美寧が息をのんだ次の瞬間、それまで真横に伸びていた怜の眉が少し下がった。

「あなたが嫌なら無理は、」

「いやじゃないっ!」

「ミネ……無理をしなくても、」

「無理じゃないもんっ……ほんとうにいやじゃないの。れいちゃんに触られたくないとかじゃなくて………」

そこまで言ったところで言葉につまると、怜は美寧がやっぱり無理をしているのかと思ったのか、眉を下げたままじっと黙って続きを待っている。

「は、はずかしいのっ———だって、わたしばっかり、こんなっ、………」

真っ赤になって瞳を潤ませながらそう言った美寧に、怜は涼やかな瞳を軽く見張り、(しばた)かせた。そして———

「ああ、確かに。それもそうですね」

そう言って怜は、おもむろに着ているグレーのニットとその下のシャツを一緒に、サッと脱いだ。

「みゃっ!」

急にあらわになった怜の上半身に、美寧は小さな肩を跳ね上げ驚いた。真っ赤な顔からは湯気が出でいるのではないかと思う。
女子校育ちの美寧は、水泳の授業でも男性の上半身の裸体を目にする機会はなかったのだ。
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