耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
***




眉を寄せ、細めた瞳。その瞳の中に籠る熱。額に浮かぶ汗。

怜の向こう側で、残り少なくなった茜色が差し込み、動くたびにキラキラと光の粒子舞い上がる。

初めて体を貫かれる痛み耐えながら涙をこぼす美寧に、自分の方が痛いのかと思うほど苦しげな顔をした怜は、何度も深いくちづけをくれた。

しばらくすると、『よく頑張りましたね………』と頭を撫でられた時は、何のことか分からなかったけれど、『ちゃんと出来たんだ』とホッとした。
けれど、それは終わりではなく始まりで———

ぎゅっと美寧の体を抱きしめていた怜が、ゆっくりと動き出した。最初はそっと、美寧が痛みに顔を歪ませると動きが止まる。そして顔や首すじにくちづけを降らせると、またゆっくりと動きはじめる。

『あっ、……やっ、………』

一定のリズムで揺さぶられるうちに、痛みの中に甘い愉悦が混ざりだす。
それはどんどんと強くなり、しばらくするとすっかり痛みに取って代わった。

美寧の反応を見つつ緩急をつけていた怜の動きが、次第に激しくなっていく。与えられる初めての感覚に喘ぎ、逞しい背中に必死にしがみつく。

『あぁっ、~~っ、やぁっ、』

口から出る声はもはや言葉ではなくただの音。
縋り付くように怜の首にしがみつくと、耳朶を食まれる。その刺激に背中が震え、体の奥がずくんと熱くなる。

『も、……や……れい、ちゃ……』

しがみつきながら首を左右にふると、ふちに溜まっていた涙が散った。耳元で掠れた声が低く囁く。

『………あいしてる、美寧』

次の瞬間、最奥を強く穿たれ、また“あの時の”感覚に包まれる。「上手」だと褒められたときよりも何倍も強い絶頂感に、美寧の意識が遠くなった。

奥深くで繋がったまま動きを止めた怜に、きつく抱きしめられながら、美寧は意識を手放した。


そして、次に目を覚ました時、美寧は発熱していた。



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