耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
***


あっという間にフォンダンショコラを食べ終えた美寧。コーヒーに口をつけたあとすぐに、「そういえば…」と何かを思い出したように顔を上げた。

「お兄さまに『バレンタインのお菓子を送っても良いですか?』ってメッセージを送ったの」

「……聡臣さんにも手作りを?」

「うん。……お父さまにも。だから宅配で送っても大丈夫か訊こうと思って。そしたら、お兄さまったら……『今出張で家を留守にしているから、直接取りに行く』って……」

「出張先から取りに……」

妹を溺愛して止まない聡臣(あのあに)なら、それもありそうだと思い、怜も頷く。
が、美寧の次の言葉には流石に驚いた。

「そうなの!しかも関西なんだよ!?お菓子を受け取るために新幹線で帰って来られるって……」

「関西から?」

「うん。それで、お父さまの分も受け取って帰られて……」

「そうだったのですか……」

「さすがに日帰りじゃなくて、お(うち)に一泊するとはおっしゃっていたけど……でも朝早い新幹線で戻るって……。滞在していらっしゃるホテルの住所を教えていただけたら、小包でお送りするって何度も言ったのに……」

美寧が微妙な顔を浮かべている。兄に会えたのは嬉しいけれど、仕事の邪魔をしてしまったのではと気にしているのだろう。
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