耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
(まったく……どうしてくれようか。この子猫め……)

あんまり可愛いことを言ってくれるな、と思ってしまう。これ以上煽られたらさすがに堪らない。

「俺をあんまり甘やかさないで、ミネ。あとで困るのはあなたの方ですよ?」

(たしな)める気持ちを込めてそう口にすると、美寧が勢いよく顔を上げた。なぜか眉を中央に寄せて、大きな瞳を怒らせている。

「やだっ……甘やかすもん!」

口調と表情は完全に『怒っている』。けれど繰り出された言葉はとてつもなく甘くて。ギャップに胸を打ち抜かれる。

「いつも私ばっかりれいちゃんに甘やかされてるから、私だってれいちゃんを甘やかしたい!旦那さまを甘やかすのは、奥さんである私の『特権』だもん!……それに、」

一度言葉を切った美寧は、少し躊躇ってからもう一度口を開いた。

「それに、奥さんを『独占』するのは旦那さまの『特権』……だよ?」

「っ、―――ああもうっ」

(こんな可愛い妻を持って『独占欲』を抱かないなんて、土台無理な話だろう!?)

誰に投げていいのか分からない惚気のような苦情は、どうにか胸の内だけに押し留めることが出来た。

無理やり押さえつけようと蓋をした独占欲と嫉妬心。それすらも彼女は受け入れようとしてくれる。
「甘やかしたい」とまで言ってくれた彼女に、愛情と同じくらいの情欲が勢いよく湧き上がっていた。

「『独占』――今からしても?」

「うん……」

恥じらうように伏せた頬を両手で包み、すくい上げてから小さな唇にそっとキスを落とす。

「ちゅっちゅっ」と小鳥のように啄んで、小さな唇の感触を楽しむ。
けれどすぐに物足りなくなって、“合図”を送って開いた隙間から舌を忍び込ませた。
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