耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
買い物で疲れた体に甘めのキャラメルラテが沁み込んでくる。ほっと一息ついた美寧の目に、隣の席に置いたショッピングバッグが目に入る。中身を思い返したせいで、頬が赤らんでしまう。
それを涼香は見逃さなかった。

「ふふっ、可愛いのがあって良かったわ……」

涼香の言葉に美寧の顔が更に赤く染まる。

「さすがにこれはサイズがあるから、いつもの“女の子の必需品”に入れるわけにはいかないものね。いつか絶対美寧ちゃんとあの店に行くんだって決めてたの」

涼香が言う『あの店』には、デパコスカウンターの次に向かった場所。
“ランファンショップ”———女性ものの下着店だ。

涼香が連れて行ってくれた店は、多様なデザインのランジェリーが沢山あった。可愛らしいプリントのものからレースがふんだんに使われた大人っぽいもの。まるで洋服のように一つ一つが凝っていて、着け心地も自分に合ったものを選べる。
美寧は初めて、下着を選ぶ楽しみを知った。

「きっと一人じゃお店に入ることも出来ませんでした」

「ふふ、最初はみんな同じよ?でも、見えないところのおしゃれも、“淑女(レディ)のたしなみ”なのよ」

「レディのたしなみ……」

「そ。だから恥ずかしがることなんてないのよ」

力説する涼香に、美寧は頬を染めたまま「頑張ります」と頷いた。

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