耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
***
行きに車から降りたロータリーまで行くと、さっき見たばかりの黒いSUVが止まっている。三度目になる今、少し離れたところからでも久住家の車だとすぐに分かった。
「おっ、いたいた!」
涼香が車に向かって手を振っている。
美寧の視線も自然とそちらに動いた。その先に目に入ったのは———
「れいちゃん!」
驚いて声を上げた美寧の方へ、怜が近寄ってきた。
「———ミネ」
「れいちゃん……どうして……」
「私が呼んだのよ。航にお願いして連れて来てもらっちゃった」
美寧のすぐ前までやってきた怜が、涼しげな瞳をふと見開いた。
そんな怜を見て、涼香が「うふふ」と笑う。そして美寧の耳元へ口を寄せて囁いた。
「せっかくこんなに可愛くなったんだもの。デート、楽しんで来てね」
「えっ、」
「じゃあね!あとは頼んだわよ、フジ君!」
「……ああ」
涼香は上機嫌で手を振ると、助手席のドアから車内に滑り込んで行った。
ほどなくして発進した車のバックドアを見送ると、ロータリーに怜と二人なった。
なんとなく怜の方を見れない。
今の自分がいったい彼の目にどういうふうに映っているのか。
気になるのに、それを知るのが怖くもある。
「ミネ———」
斜め上から降ってきた声に、おずおずと顔を上げる。
自分を見下ろす怜と目が合った。
「行きましょうか———」
「えっ、」
美寧の手を取った怜。その手に引かれるように、美寧は一歩足を踏み出した。
行きに車から降りたロータリーまで行くと、さっき見たばかりの黒いSUVが止まっている。三度目になる今、少し離れたところからでも久住家の車だとすぐに分かった。
「おっ、いたいた!」
涼香が車に向かって手を振っている。
美寧の視線も自然とそちらに動いた。その先に目に入ったのは———
「れいちゃん!」
驚いて声を上げた美寧の方へ、怜が近寄ってきた。
「———ミネ」
「れいちゃん……どうして……」
「私が呼んだのよ。航にお願いして連れて来てもらっちゃった」
美寧のすぐ前までやってきた怜が、涼しげな瞳をふと見開いた。
そんな怜を見て、涼香が「うふふ」と笑う。そして美寧の耳元へ口を寄せて囁いた。
「せっかくこんなに可愛くなったんだもの。デート、楽しんで来てね」
「えっ、」
「じゃあね!あとは頼んだわよ、フジ君!」
「……ああ」
涼香は上機嫌で手を振ると、助手席のドアから車内に滑り込んで行った。
ほどなくして発進した車のバックドアを見送ると、ロータリーに怜と二人なった。
なんとなく怜の方を見れない。
今の自分がいったい彼の目にどういうふうに映っているのか。
気になるのに、それを知るのが怖くもある。
「ミネ———」
斜め上から降ってきた声に、おずおずと顔を上げる。
自分を見下ろす怜と目が合った。
「行きましょうか———」
「えっ、」
美寧の手を取った怜。その手に引かれるように、美寧は一歩足を踏み出した。