耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
涼香の通う医学部は六年制。怜は大学院まで進んだので、六年間同じ大学に通っていた二人。その間、怜に恋人がいたこともあった。
怜が恋人と一緒の場面に出会った時は、怜は恋人を涼香に紹介したし、涼香も友人として挨拶や世間話程度はした。
だからと言って、特にお互い恋人同伴で一緒に出掛けようということにはならず、涼香も怜のお相手に興味はなかった。
友人としての付き合いに差し障らなければ問題ない。
それは怜も同じことだ。
特に涼香の恋人についても訊かれたことはなかった。
真面目な性格の怜は、モテる割には付き合っていた女性は多くない。その時々で付き合っている相手を大事にしている様子ではあった。
それなのに、涼香はなにかに引っかかるような違和感を持っていた。
最初のころはそれが何なのか分からなかった。
違和感の正体に気付いたのは、怜が修士課程に進み、涼香が医学部の五回生の時だった。
医学部と理工学部は学部棟が近く、昼食に使うカフェテリアや図書館などが被っている。一週間に少なくとも一二度は怜が恋人と一緒にいるところを見かけていたのだけれど、ここしばらくそれがない。
『彼女、最近見ないわね。風邪でも引いてるの?』
お昼ご飯を食べに行ったカフェテリアで、一人で昼食を取る怜の向かい側に座った涼香は、何気なくそう訊いた。
『ああ———別れたんだ』
怜が恋人と一緒の場面に出会った時は、怜は恋人を涼香に紹介したし、涼香も友人として挨拶や世間話程度はした。
だからと言って、特にお互い恋人同伴で一緒に出掛けようということにはならず、涼香も怜のお相手に興味はなかった。
友人としての付き合いに差し障らなければ問題ない。
それは怜も同じことだ。
特に涼香の恋人についても訊かれたことはなかった。
真面目な性格の怜は、モテる割には付き合っていた女性は多くない。その時々で付き合っている相手を大事にしている様子ではあった。
それなのに、涼香はなにかに引っかかるような違和感を持っていた。
最初のころはそれが何なのか分からなかった。
違和感の正体に気付いたのは、怜が修士課程に進み、涼香が医学部の五回生の時だった。
医学部と理工学部は学部棟が近く、昼食に使うカフェテリアや図書館などが被っている。一週間に少なくとも一二度は怜が恋人と一緒にいるところを見かけていたのだけれど、ここしばらくそれがない。
『彼女、最近見ないわね。風邪でも引いてるの?』
お昼ご飯を食べに行ったカフェテリアで、一人で昼食を取る怜の向かい側に座った涼香は、何気なくそう訊いた。
『ああ———別れたんだ』