耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
[3]


手洗いうがいをしてからそれぞれの部屋で着替えを済ませ、キッチンに集合した美寧と怜。
怜は光沢のあるグレーの薄いストライプの入ったエプロンを、美寧は上が花柄、下はマスタード色のツートンカラーのエプロンを着けている。

美寧のエプロンは、この前のデートの時に怜がいつの間にか買ってくれていたものだ。
フレアスカートのようにギャザーの入った裾、腰の前で結んだマスタードの共布リボンがアクセントになっていて、とても可愛らしい。


そうしてキッチンで揃ってエプロンを着けた二人は、丸テーブルの上に置いてある袋を覗き込んでいた。

「またたくさん頂いちゃったね、銀杏」

「そうですね。少しマスターのところにお裾分けしましょうか」

「あっ、そうだね。それがいいね」

怜の研究室の竹下から貰った分は、昨日の夕飯で食べ終わっているけれど、追加で貰った分は二人で食べるには少し多すぎるように見えた。

「ミネは何が食べたいですか?」

「私?う~ん、そうだなぁ……」

銀杏を使う料理なんてそんなに知らない。

「炒ってお塩で食べるのも美味しかったし、《《がんも》》は、昨日食べたし……」

美寧は「うーん」と少し考えてから、突然「あっ!」と何かを閃いたように言った。

「茶碗蒸しがいい!」

「茶碗蒸しですか?」

「うん、銀杏入りの!それと《《おうどん》》が入ったやつ!」

「ああ。“小田巻蒸し”ですね」

「そう、それ!」

「前にナギが来た時に話に出ましたよね」

藤波家を訪れた高柳は、怜の大学時代からの友人である高柳が藤波家を訪れたのは先月。ここでたこ焼きパーティをした記憶はまだ新しい。

その時に、高柳が関西の祖父からたこ焼き作りを教わったと聞いた。それから話の流れでご当地の食べ物の話になり、高柳が、あちらでは茶碗蒸しにうどんを入れた“小田巻蒸し”なるものがあるのだと教えてくれた。

美寧はそのことを聞いてから、ひそかに食べてみたいと思っていたのだ。

「うどん……そう言えば、ありましたね」

冷蔵庫を前にしばらく考え込んでいた怜は、「分かりました。今日は小田巻蒸しにしましょう」と言った。

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