偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
昼の街でもそうだった。
彼の会社に来ても、また。
いったい、私のなにがそんなに、視線を集めているのだろう。

「ああ。
……李亜が綺麗だから皆、視線を奪われてるんだ」

「……は?」

こそっと耳打ちされ、思わず彼の顔を見上げる。

……私が綺麗?
そんなこと、あるはずがない。

「李亜は綺麗だぞ?
もっと、自信を持った方がいい」

ぐいっ、と彼の手が、私の腰を抱き寄せる。
そっと見渡した周囲、こちらを見る人は羨望の眼差しを送っていた。

「……はい」

まだ少し信じられないが、確かに地味で老け顔の私は最近、見かけていない。
出会ってすぐ、御津川氏は私を磨く、なんて言っていたが、彼に磨かれて多少は綺麗になったんだろうか。

五分も歩かずに石造りのお洒落な建物に着いた。
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