偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
「……はっ!
寝てた……」

顔を洗って目を覚まそうと、部屋を出る。
彼と約束した期日はもう明日、時間は無駄にしたくない。

「お腹も空いたし、なんか食べよう……」

顔を洗ったあとは、キッチンへと向かった。
この一週間、まともに御津川氏と顔をあわせていない。
帰ってきても声をかけてくれないし、食事のときも呼んでくれない。
そんなに私の顔を見たくないのかと落ち込みもしたが、なら、なにがなんでもこれはやり遂げて彼を見返してやろうとさらに没頭した。

キッチンにはラップをかけて、おにぎりと豚汁が置いてあった。
レンジで豚汁を温め、おにぎりにかぶりつく。

「大葉の焼きおにぎり、美味しい」

あれからまともに食事はしていないが、キッチンへ行けばいつも、簡単に食べられるものが準備してあった。
これは、御津川氏の指示なんだろうか。

「ごちそうさまでした、と」
< 157 / 182 >

この作品をシェア

pagetop