偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
「ありがとうございます」

複雑な気分であたまを下げる。
拍手する人たちと一緒に手を叩きながら、御津川氏はニヤニヤと笑っていた。

社長室に戻るまで、すぐにでも開きそうな口を必死に閉じていた。

「いったい、どういうことなんですか!?」

「驚いただろ!?」

部屋でふたりきりになった途端、同時に口を開いた。

「驚いたって、そりゃ」

「どういうことってこういうことだが」

また同時に口を開き、互いに顔を見合わせる。

「……説明を、お願いします」

こほんと小さく咳をして仕切り直し、彼を促した。

「もともと、いつか李亜を役員にしようと思ってたんだ。
そしたらナイスタイミングで急に辞めた取締役が出たから、李亜をそのあとに、と」
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