偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
ソファーに座った彼が、隣をぽんぽんと叩く。
仕方なく、そこに腰を下ろした。

「話してくれたっていいですよね」

「えー?
李亜を驚かせたかったんだ。
さっきのあの顔!
作戦大成功、だな」

ニヤリと右頬を歪ませて彼が笑う。
なんだかそれが悔しい。

「……騙された」

「そう、怒るな」

ぷーっと膨れたら、そこに口付けを落とされた。
そのタイミングでドアがノックさっれ、秘書の方が入ってくる。

「根回し、ご苦労だったな」

「こういうお戯れは今回限りにしてください」

私たちの前にコーヒーを置き秘書の方ははぁーっと、聞いている私たちまで憂鬱になるようなため息をついて出ていった。

「あいつ、優秀だけどなんかいつも疲れてるんだよな。
なんでだろうな?」
< 165 / 182 >

この作品をシェア

pagetop