偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
「買われた私は一生、あなたのものなんです。
わかります?
一生、あなたのもの。
つまり」

ネクタイのノットを掴み、彼の顔を引き寄せる。
まだなにが起こっているのか把握していない彼の唇に、自分から唇を……重ねた。

「……好きだって言ってるんですよ」

ふっ、と彼を真似て右の口端だけを持ち上げる。

「李亜、格好いい……!
いまの、いまのもう一回、やってくれ!」

みるみるうちに御津川氏の顔が輝いていく。
……のは、いい。
なんで携帯をかまえる!?

「……もう二度とやりませんよ」

やってみたものの、滅茶苦茶恥ずかしかったのだ。
現にいま、身体中が燃えているかのように熱い。

「ケチ」

わざとらしく彼が、唇を尖らせる。
ケチってなんだ!? とは思ったけど、それ以上はなにも言わないでおいた。
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