偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
周囲が私たちを囃したてる。
思わずひっぱたきそうになった手は、ぐっと握りしめて耐えた。

「水を差すようなことを言ってすまなかった。
李亜、許してくれ」

「えっ、伯父さん!」

伯父さんは感動スイッチが入ったのか、声を押し殺して泣いている。
伯父さんには大変申し訳ないが、これで誤魔化せたのはいい。
いい、が。
この男は、二度も私にキスを!
一回目は儀式だから仕方ないが、いまのは必要ないよね!?

「……眉間に皺、寄ってるぞ」

「……うっ」

小声で耳打ちされ、急いで笑顔を作る。
我慢、我慢よ、李亜。
これは、仕方ないことなんだから。

その後はトラブルもなく、披露宴は終わった。

「いい式だったよ、ほんと。
幸せにな」

「ありがとうございました」
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