偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
パッケージを開けて私の手の上に置き、彼が自分の耳をこちらへ近づける。

「え、嫌。
無理無理無理無理。
そんなにあけたいなら、自分でやってくださいよ」

両手にピアッサーをのせたまま、嫌々と思いっきり首を振った。

「俺が李亜に痛い思いをさせたんだから、李亜が俺にあけなきゃ意味がないだろ」

私にピアッサーを握らせ、彼がそれを耳に当てる。

「ほら、やれ」

「……本当にやるんですか」

恐怖でピアッサーを握る手はぶるぶる震えていたし、目にはうっすらと涙まで浮いてくる。

「バチンとやるだけだろ」

彼はどこまでもやる気みたいで、じっと私の目を見ている。

「……わかりました」

目を閉じて小さく深呼吸し、心を決めて瞼を開けた。

「いきますよ」
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