偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
「ああ」

慎重に場所を確かめ、ピアッサーをその耳に当てる。
指に力を入れて、思いっきりレバーを押した。

――バチン!

大きな音と共に、手にかかる抵抗がなくなる。
そっとピアッサーを外してみたら、そこにはしっかりとピアスが嵌まっていた。

「ほら、反対側もあけろ」

「……はい」

反対側の耳を向けられ、そちらにも同じようにピアスをあけた。

「けっこう痛いんだな」

そう言いながらも御津川氏は嬉しそうに笑っている。

「どうだ?
似合ってるか?」

顔を右に左に向け、いまあけたばかりのピアスを彼は私に見せてきた。
でもそれは透明ピアスで、どう反応していいのか困る。

「これなら仕事でしていても目立たないから問題ないだろ」
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