偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
「……子供扱い」

それが不満で、頬を軽く膨らませ、唇を尖らせる。
けれど。

「わるかった、わるかった。
これで機嫌直せ、な?」

顔をのぞき込んだ彼がまた私にキスし、ニカッと八重歯を見せて悪戯っぽく笑う。

「……やっぱり子供扱い」

「んー?」

少し考えた彼の顔が、近づいてくる。
またキスして誤魔化す気かと思ったものの。

「……愛してる、李亜。
これで、許してくれるか」

熱い重低音が直接耳に入ってきて、鼓膜を揺らす。
その甘い響きに腰砕けになって、力が抜けた。

「おっと!
危ない」

すかさず、彼が支えてくれる。
< 84 / 182 >

この作品をシェア

pagetop