偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
「やっぱり李亜は、可愛いなー」

ちゅっ、と耳たぶに口付けした彼の手を借りて、立った。
けれど全身は燃えるように熱い。

「このまま李亜をもっと可愛がりたいが……そんな時間はないからな」

器用にパチン、とウインクし、彼は私に持たせていたドレスを手に取った。
反対の手で私の手を掴み、レジデンスを出る。
そのまま来たのはオフィスビルの美容室だった。

「セット頼む」

「かしこまりました」

御津川氏の一言で、わらわらとスタッフが寄ってくる。
すぐに施術用の椅子に座らされ、あっという間に髪がセットされ化粧が施された。
最後に、持ってきたドレスに着替える。

「うん、やっぱり李亜にはネイビーだな。
美しすぎてまた、求婚したいくらいだ」

跪いた彼が手を取り、そこに口付けが落とされれば、一気に頬が熱くなった。

「いきますか、奥様?」
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