偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
「待てよ」

二歩も歩かないうちに御津川氏の手が私の手を捕まえる。

「わるかった、あやまるから」

彼の方を向かされたかと思ったら、いきなり抱き締められた。

「えっ、あっ」

状況にちょっと、あたまがついていかない。
放せとジタバタ暴れてみたものの、彼の手は緩まない。

「俺が悪かった。
李亜の前で他の女に絡まれるとか。
あやまるからもう、怒らないでくれ」

そこまで聞いて、ピタリと動きを止めた。

……怒っている?
私が?
そんなこと……。

ない、と言い切れない。
女性に絡まれている彼に、ずっとモヤモヤしていた。
ううん、それだけじゃない。
ずっと控えめに彼に向かっていた視線たちにずっと、イラついていた。

「俺が愛しているのは李亜だけだから……」
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