オフィスラブはじまってました
「私はただ、此処は住むと高額当選したり、結婚が決まったりして、ハッピーになれるところだって聞いただけなんですけど。

 あれ?

 澄子さんが想定していた私の結婚相手って、柚月さんだったんですかね?

 いや、そんな私なんかが……」
と笑いながら言い終わる前に、柚月は、

「な、なにを言ってるんだっ。
 俺とお前がハッピーエンドとかあるか!」
と叫び出した。

「そうですよねー」
とひなとが小首を傾げている間に、柚月は足を速めながら、

「俺とお前がハッピーエンドとかあるか!」
と繰り返す。

 柚月の姿が結構遠くなっても、
「俺とお前がハッピーエンドとか……」
とまだ聞こえていた。

 なんですか。
 その遠ざかっていく負け犬の遠吠えみたいなの……、
と思っていると、柚月が戻ってきた。

「はぐれるなっ。
 危ないじゃないかっ」
と怒ったように言ってくる。

 いや……、柚月さんが勝手に遠ざかっていったんですよね、今……。

 とは思っていたのだが。

 なにか突っ込めず、

 ハイ、スミマセン……とだけ言っておいた。







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