幸せになりたくて…… ~籠の中の鳥は自由を求めて羽ばたく~
「へえ……」
「確かに,髪伸びて雰囲気変わったなあとは思ったけど」
「そりゃ,卒業して三年もたてば髪も伸びるよ」
あたしはそう言って,ヘアゴムでひっつめていた長い髪をほどいた。大学時代は肩まであるかないかくらいの長さだったと思う。
「そうだよな……。あ,そうだ。今時間ある?」
「うん,ちょっとなら……」
早く帰って家事をしないと,という一種の呪縛から,ついついそう答えてしまう。でも,本心では彼との再会をもっと長く楽しみたい。
「んじゃ,そこのカフェまで付き合って。話したいこともあるしさ」
「……うん」
あたしは大智に付き合って,近くのおしゃれなカフェでお茶することにした。
――そういえば,三年ぶりに会った大智はなんか垢ぬけているし,着ているものも洗練されたジャケットにスラックスでなんかしゃれている。
彼は今,一体どんな仕事をしてるんだろう――?