はつ恋。
騒がしい食事も終わり、遂にその時がやって来た。


「じゃあ、またね」

「バイバイ、日奈子!てか、有馬。まさか今日...しないよね?」

「さぁ?」

「まだ止めてよね。ふざけた真似したらただじゃおかないから」

「それはいいから自分の心配しろ」

「うっさい!もぉ...バカヤロー!」


あっちゃんは叫び、踵を返した。

本当はすごく緊張しているんだろう。

でも、大丈夫。

きっと伝わるから。

私がちゃんと祈って

ちゃんと信じてるから。


「お邪魔しました。じゃあ、おれたちはこれで」

「あぁ。じゃあな」

「あっちゃんをよろしくお願いします」


私は真谷くんに色々な意味を込めてその言葉を送った。

そして、あっちゃんと真谷くんの後ろ姿が見えなくなるまで見届けた。


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