悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
本来、未婚の男女が付き添いもなしにふたりきりで密室にいるというのはありえないことだ。だが、レオンティーナはそれを望んだ。
今からする話を、ヴィルヘルム以外には聞いてほしくなかった。たとえ、ソニアであっても。
「かしこまりました」
ソニアは引き留めるかと思ったけれど、そうしなかった。ふたりのために扉を開き、そして外から扉を閉じた。
(ソニアが扉の前にいるから……ここでの話は、誰にも聞かれないですむ)
部屋の中央に立ったレオンティーナが向き直ると、ヴィルヘルムは部屋の光景に気を取られていた。
「なんで、こんなに……」
ここは仕事のための部屋であるから、ヴィルヘルムをここに通したことはなかった。彼と話し合いをする機会があれば、その時には客間を使っていたからだ。
「この地図、ロアの……伝染病が発生した地域……子供達の施設。なぜ、こんなものが……ヘイルダート王国の侵攻……アーシア王国……」
壁一面に張られたメモや地図、地図の上に記された言葉などが気になって仕方ないようだ。だが、彼は、レオンティーナの方にすぐに向き直った。
「――これは?」
今からする話を、ヴィルヘルム以外には聞いてほしくなかった。たとえ、ソニアであっても。
「かしこまりました」
ソニアは引き留めるかと思ったけれど、そうしなかった。ふたりのために扉を開き、そして外から扉を閉じた。
(ソニアが扉の前にいるから……ここでの話は、誰にも聞かれないですむ)
部屋の中央に立ったレオンティーナが向き直ると、ヴィルヘルムは部屋の光景に気を取られていた。
「なんで、こんなに……」
ここは仕事のための部屋であるから、ヴィルヘルムをここに通したことはなかった。彼と話し合いをする機会があれば、その時には客間を使っていたからだ。
「この地図、ロアの……伝染病が発生した地域……子供達の施設。なぜ、こんなものが……ヘイルダート王国の侵攻……アーシア王国……」
壁一面に張られたメモや地図、地図の上に記された言葉などが気になって仕方ないようだ。だが、彼は、レオンティーナの方にすぐに向き直った。
「――これは?」