悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「父のところに上がってきた報告書と、皇宮の図書館で得られた情報をもとにしたものです。私の推測が入ってしまいますけれど……」
「なぜ、君がここまでしているんだ。俺だって、ここまではしていない……おそらく、父上も」

 そこでヴィルヘルムが言葉を切ったのも当然だ。レオンティーナには、帝国全土を管理することなど誰も求めていない。
 レオンティーナの父だって、各地から届けられた報告書をもとに分析したり、さらなる追加を命じたりしているが、屋敷にまでは持ち帰らない。

「もう一度お聞きします……最後まで、聞いてくださいますか? この部屋を見て、まだそう思われますか?」

 両手を前で組み、背筋をぴんと伸ばす。信じるか、信じないかはヴィルヘルムしだいだ。
 レオンティーナのことを不気味だと思うかもしれない。それに、ルイーザとの友情も失ってしまうかも。
 ――それでも。

(覚悟は決めたわ)

 悲痛な面持ちで、レオンティーナは口を開いた。

「今からお話することは、ヴィルヘルム様の胸にしまってくださいますか?」

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