悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 ギルベルトの母が愛妾として皇帝の側に上がった時、皇帝にはもうケルスティンという最愛の女性がいた。
 そして、国の威信を背負って嫁いできた皇妃――今はハルディール夫人――も、皇帝の側にいた。
 皇帝が何を考え、ギルベルトの母を側に置いたのかなど、レオンティーナの知るところではない。だが、最も愛した女性の産んだ皇子、そして、他国の庇護を受けている皇子と比較すれば、ギルベルトの立場は弱いものなのかもしれなかった。

「僕は、君のような頭脳には恵まれていない。もっと賢ければ、君のように父上の役に立つことができたのに。君の立案した教育制度の改革案、無事に採用されたそうだね。おめでとう」
「それは……他の皆様が手を貸してくださったからです」

 父に頼まず、自分で派閥――という言い方をしてもいいのだろうか。自分で手を貸してくれる人を探し、彼女達の協力を得た。
 彼女達を探すところが第一歩だったというのであれば、レオンティーナはたしかに第一歩を自分で乗り越えた。

「せめて剣が強ければ、ベルンハルトのようになれたかもしれないのに、鍛えても筋肉がつかないんだ」

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