悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 今回が二度目の人生であるからかもしれないけれど……だが、たしかにレオンティーナは前回とは違う人生を歩んでいる。神の決めた道を歩くことしか許されないのなら、絶対に前回と同じ結末にいたったはずだ。

「たしかに、焦ってもいい未来を引き寄せることはできない。今回は、それを実感してしまいましたけれど。でも、未来は変えられると……そう思います」
「……僕は、君とは違う。君のように恵まれてはいないから」

 どこか、すねたような彼の口調。レオンティーナを見ていられないというように、ギルベルトの視線はレオンティーナからそらされていた。

「私は、恵まれていますか?」

 たしかに、裕福な両親のもとに生まれ、自分のやりたいことはやらせてもらってきた。
 そういう意味では恵まれているのかもしれないが、皇子にそんなことを言われても納得はできなかった。

(……いえ、そうではないのかも)

 恵まれていますかと問い返したのはレオンティーナの方なのに、急にいたたまれなくなった。
 たしかに、皇子達の中では、ギルベルトは恵まれていない方だったのだろう。
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