悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 アンドレアスの言葉に、レオンティーナの警戒心は一気に強くなった。

(私にも話って……)

 緊張で、身体がこわばったように感じられる。アンドレアスから目を離さないようにしながら、そろそろと頭を下げた。
 顔を上げて驚いた。アンドレアスの身に着けているものが、大きく変化している。
 レオンティーナとヴィルヘルムが、ターナジアを訪れた時は、ロアの流行をそのまま持ち込んでいた。
 ロアで流行している服装の中でも、アンドレアスは特に華美な服装を好んでいた。その流行をそのままターナジアに持ち込んでいたのだが、今は違う。
 もちろん、皇宮にいるのだから、それなりの格式を備えた服装ではある。白いシャツにクラヴァット、上着も上質の布地を用いたもの。
 だが、以前はレースのクラヴァットを使っていたのだが、今は違う。こげ茶色のクラヴァットは、シンプルなものだった。
 髪は長いままだが、しっかりと束ねてある。何より、以前より日焼けしたように見えた。

(……どうして……?)

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