悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「ハルディール夫人。あなたは、二度、国を裏切った。本来ならば処刑されても文句は言えないところだが――」

 そう言ったヴィルヘルムの手が、そっとレオンティーナの背に当てられた。そこから流れ込んでくるのはなんだろう。胸があたたかくなるようで、切なくなるようで。そして、身体の奥から力が湧いてくるようだ。
 レオンティーナの背中に手を当てたまま、ヴィルヘルムは淡々と宣言した。

「アンドレアスの国に対する貢献により、幽閉場所を変えることで、決着とする」
「……私は!」

 なおもハルディール夫人は叫ぼうとしたけれど、アンドレアスが手を上げた。今までアンドレアスの周囲にいた兵士達が、いっせいにハルディール夫人を取り囲む。

「な、なによ」
「――ロアにお帰りいただく」
「アンドレアス! お前は、母をなんだと思っているの! ベルンハルトは? そうよ、ベルンハルトはどうしたの!」

 この場で一緒に引き渡されるベルンハルトがいないことに、ハルディール夫人はようやく気付いたようだ。

「ベルンハルトなら、ここには来ませんよ。母上。彼は、実際には自分の領地から一歩も外に出ていない」
「――嘘よ!」
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