可愛くないから、キミがいい【完】
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「お前、早起きは得意なんじゃないのかよ」
改札を抜けて、東口の傍の壁によりかかっている男を発見して、なんだか自分から近づくのもしゃくで、しばらく少し離れたところで見ていたら、すぐに気づかれてしまった。
目が合って、すぐに潜められた眉。
何なわけ、と思っていたら、私の前まで歩いてきて、立ち止まった後の、開口一番の台詞がこれだ。
おはよう、今日はきてくれて本当にありがとうも、言えないわけ?
そう思いながらも、六時には目が覚めていたのに、セットした前髪に合格点が出せなくて鏡の前で格闘していたら、知らない間に時間が経っていて、二十分も遅刻してしまったわけで、強く言い返せない。
時間に遅れるなんて、滅多にない。
私にとって本当にイレギュラーなことだ。
待たせていただけだから、ナンパもされなかった。
遅刻は完全にこちら側の落ち度なわけだけど、やっぱり、謝ることなんて絶対にしたくなくて。
「来てあげただけ、感謝してほしいんですけど」と結局、言い返してしまったら、「おー、来てあげてくれて、どうも」と意味の分からない日本語で、馬鹿にするように口角をあげられたから、やっぱり気にくわない、とさっそく思った。
周りの目を気にしながらも、小さく睨む。