可愛くないから、キミがいい【完】
それから、しばらく歩いて、また別の路線の電車に乗って。“楽しいとこ”といって、和泉しゅうに連れてこられたのは、規模がかなり大きい有名なテーマパークだった。
ポップな音楽が響く、たくさんの人で賑わっている空間だ。
まさか、ここに連れて来られるとは思わなかった。
どうせなら、全然興味のない場所に辿り着いて、たくさん嫌味を言えればよかったのに。
テーマパークは嫌いじゃない。むしろ好きだ。
そういうのも、和泉しゅうに分かられているのだとしたら、なんだか複雑な気持ちになる。
ゲートの向こう、遠くのほうに見えるアトラクションに目を向けていたら、はい、とチケットを渡される。
かわいいキャラクターがプリントされたもの。
和泉しゅうには似合わない愛らしいクマがほほえみを浮かべている。
「……ここのチケット、かなり高いって、みゆ知ってるけど」
「別に、後から金たかるつもりないから、受け取ったら」
「みゆに、許してほしくて、チケットまで揃えるとか、バカみたい」
「なんでもいいけど、行きたくねーの? 行くの? どっち?」
「テーマパークは別に嫌いじゃないから、行くけど」
「おー。助かる、助かる」
チケットを受け取ろうと、指でつまむ。
だけど、和泉しゅうはチケットをもつ手を離してはくれず。