可愛くないから、キミがいい【完】
ゲートをくぐると、和泉しゅうの隣にいるのに、なんだか、気分がよくなってきてしまう。
単純だからじゃない。
順応性が高いという、私の長所のひとつだ。
「……こういうところ、よく行くわけ?」
「わりと。アトラクション乗るの好きだし」
「ふうん。似合わない」
「別に、似合ってなくても、好きなもんは好きだろ。広野も行ってそう」
「頻繁にはいかないけど。ときどき」
非現実な世界が、とても好きだ。
これは、映画鑑賞にも通ずること。
特に、今きているテーマパークでは、お姫様みたいな気持ちになれる。
さすがに、お姫様扱いをしろなんて、和泉しゅうには言えないけれど。馬鹿にされるにきまってるし、彼に王子なんてものは全く似合わないから。
だけど、今、完全に私と彼は付き合っている風に周りからは見えているんだと思う。
事実無根だけど、羨ましがられることや、憧れや好奇の眼差しを受けることも、美男美女だと囁かれることも、まるで甘い果実のようで、和泉しゅうでは満たせない天使の承認欲求を撫でてくれるからいい。