先生がいてくれるなら②【完】

私と先生が付き合っていることを知っているのは、美夜ちゃんと悠斗、そして数研の2年生部員だけだ。


もしも今までの態度とあまりにも違えば、私と先生の間に何かあると思われかねない。



「ねぇ、返事は?」

「……分かりました」

「あと、これも分かってると思うけど、絶対に口外はしないように」

「はい……」


ふふふっ、と彼女は笑い、「じゃあ、また連絡するわ」と言って私の携帯番号を聞き出して、去って行った──。




嵐はひとまず去ったけれど、まだ遭難している気分だ。


いや、これからずっと、このままなのだろう。


誰かに助けを求めることもかなわず、私は一生遭難し続けるのか……。



それでも……。


先生のことを守れるなら、私は遭難し続けることを選ぶ。


先生のことが好きだと気付いたあの日から、先生に好きだと告白したあの日から、私は何があっても先生の味方でいるって、そう決めたんだから。


これから先どんな事があっても、きっとそれは変わらない。


私だけが知ってる、私だけの覚悟を、これから先もずっと貫き通す。



──だけど……


それはあまりにも悲しい覚悟だ、と、自分でも思う。



どうしようもなく辛く悲しい感情を洗い流すように、私は静かに涙を流した──。



< 338 / 354 >

この作品をシェア

pagetop