先生がいてくれるなら②【完】
私と先生が付き合っていることを知っているのは、美夜ちゃんと悠斗、そして数研の2年生部員だけだ。
もしも今までの態度とあまりにも違えば、私と先生の間に何かあると思われかねない。
「ねぇ、返事は?」
「……分かりました」
「あと、これも分かってると思うけど、絶対に口外はしないように」
「はい……」
ふふふっ、と彼女は笑い、「じゃあ、また連絡するわ」と言って私の携帯番号を聞き出して、去って行った──。
嵐はひとまず去ったけれど、まだ遭難している気分だ。
いや、これからずっと、このままなのだろう。
誰かに助けを求めることもかなわず、私は一生遭難し続けるのか……。
それでも……。
先生のことを守れるなら、私は遭難し続けることを選ぶ。
先生のことが好きだと気付いたあの日から、先生に好きだと告白したあの日から、私は何があっても先生の味方でいるって、そう決めたんだから。
これから先どんな事があっても、きっとそれは変わらない。
私だけが知ってる、私だけの覚悟を、これから先もずっと貫き通す。
──だけど……
それはあまりにも悲しい覚悟だ、と、自分でも思う。
どうしようもなく辛く悲しい感情を洗い流すように、私は静かに涙を流した──。