先生がいてくれるなら②【完】
やっぱり身の回りの世話をする人が必要だ。
私は頑なに拒否する彼女をなだめすかして、週に何度かの洗濯だけは私が代わりに担うことになった。
彼女からは「お節介女」と罵られるけど、言葉とは裏腹に語気は弱く、私には彼女が今にも泣きそうに見えた。
こうして、週に何度かの病院通いが始まったのだった。
──そして、
『ねえあなた。どうしてここに来るの?』
『……その質問、n回目です』(※nは整数とする)
……と言うやり取りが何度も続いている今に至る、と言うわけです。
こうやって高峰さんの病室に来るたびに、私はどうしてもお兄ちゃんのことを思い出してしまう。
何度も通ったこの病院。
またこうやって同じように通うようになるなんて、思ってもみなかったな。
あの頃は、部活のある日以外の放課後はいつも病院へ……土日も特に用事が無ければ必ず……。
あの時といくつか違う点は、お兄ちゃんの時のように長居はしない事、たとえ帰りが遅くなってももう先生に家まで送って貰う事は無いと言うこと──。