身代わり花嫁なのに、極上御曹司は求愛の手を緩めない
その夜、菖悟さんは私を寝かせるとすぐに帰っていった。

そうして翌日は、夕方まで自宅でひとりゆっくりと休養した。

幸い病院に行く必要もなく体は回復してくれ、私は安堵する。これなら明日は元気に出勤できそうだ。北瀬マネージャーやあいりちゃんを始めとするマリヨンのみんなからも私の体調を案ずるメールがたくさん届き、本当に申し訳なかった。私はひとりで仕事をしているわけじゃない。みんなに支えてもらってやっと役目を果たせているのだと、改めて痛感した。

そうとなれば、菖悟さんのマンションに戻って晩ごはんの準備をしようと、スーパーに買い出しに向かった。メニューは先日作れなかった和風パスタだ。

菖悟さんのマンションに着くと、まだ少し時間に余裕があったから、オーブンで抹茶のパウンドケーキも焼いた。菖悟さんは喜んでくれるだろうか。

けれど仕事から帰宅した菖悟さんは、キッチンにいる私を見るなり眉根を寄せる。

「何をしている?」

「あ、菖悟さんおかえりなさい。今ちょうど抹茶のパウンドケーキが焼けたところです」
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