身代わり花嫁なのに、極上御曹司は求愛の手を緩めない
再び沈黙が訪れたとき、エレベーターが停止する。かご室を出るとそこは外気からは完全にシャットアウトされた優雅な内廊下だった。

かすかな足音すら拾わない高級そうな絨毯の上を歩き、重厚な玄関ドアにカードキーをかざして入室する。

そこは先ほどの閉ざされた空間とは真逆の光景だった。

マンションの一室は思えないくらい高い天井のリビングは広さも相当で、その一面の上から下までがすべて窓になっている。まるで内と外がつながっているみたいだった。東京の宵闇に真っ逆さまに落ちてしまいそうで、私は思わず隅っこで縮こまってしまう。

「高いところは苦手か?」

リモコンを手に取り、カーテンを閉めようとしてくれた高須賀さまに、私は弱々しく微笑んだ。

「苦手ではないですが、すごすぎて怯んでしまいました。それに部屋も広すぎて、私はどこにいればいいのかわからなくて」
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