身代わり花嫁なのに、極上御曹司は求愛の手を緩めない
父も逝き、たったひとり残された私は、生前の彼らの希望で大学に進学した。そうして卒業後、マリヨンに就職し念願のウエディングプランナーになったのだ。それからはお客さまに両親を重ね合わせ、私は自分の幸せよりお客さまの幸せばかり願って生きるようになった。

「そうだったのか……」

すべて話すと、菖悟さんは驚いたというより、どこか納得したようだった。

「私はいつも、これは私の両親の結婚式なんだと思って接客をしています。お客さまが笑顔になってくれたら、両親も笑ってくれているような気がして、私はそれが何よりもうれしくて……。お客さまにとっては、こんなウエディングプランナーは嫌かもしれないですが……」

「嫌なわけがないだろう。自分のことのように親身になって接客してくれる人に、俺は担当してもらいたいと思う。……俺が最初に紗衣に興味を持ったのも、いつも労を惜しまず、丁寧なメールをくれたことだった」

突然の告白に、私は思わず菖悟さんを見上げる。

「え?」
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