その手をつかんで
「でも、落ち込んでもしかたないな。楽しみなことを考えるよ。イヤな日を二日終わらせれば、楽しみが待ってるしね」

「えっと……」


蓮斗さんが言う楽しみなことは、多分休日に私と話をすることだ。

落ち込む彼を見て、少しかわいそうになったけど、私の前で嬉しそうにされるとなんとも複雑になる。

私はその日を最後に蓮斗さんとは、絶対に関わらないと決めていた。

でも、気持ちを振り回されてばかりいる。


「さてと、戦ってくるよ」

「えっ、戦って?」

「うん、そう。応援してくれない?」

「応援ですか?」


どんな戦いに挑むのか予想がつかない。だから、簡単に言えなかった。


「野崎さんが応援してくれたら、ものすごく力をもらえるから」

「私なんて、たいした力になりませんよ。でも……がんばってください」

「うん、ありがとう」


この時の応援で、蓮斗さんはかなりがんばったらしい。

私はどれほどの力を与えてしまったのだろうか。

それが良かったのか、悪かったのか……。
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