その手をつかんで
ふたりの結婚は会社の繁栄にも繋がり、輝かしい未来。それなのに、私の視界は霞む。めまいがしそうなり、頭押さえて、目を閉じた。
「野崎さん、どうしたの? 大丈夫?」
「あ、小川さん……」
私を支えるように、小川さんが背中に手を添える。
小声で「大丈夫です」と返した。杉田くんも近くにいて、私の顔を覗き込んだ。
「顔色、悪いよ。医務室、行く?」
「ううん……たいしたことないから」
「でも」
心配してくれる小川さんと杉田くんに笑顔を見せた。
「本当に大丈夫ですから。ありがとうございます」
安心してもらうようお礼を伝えたのだが、ふたりはまだ心配そうだ。そんなふたりの向こうから視線を感じた。
あ、蓮斗さん……。
一瞬目が合ったけれど、ふいっと逸らされる。蓮斗さんは社長と共に車の後部座席に乗った。
車が発進すると、見守っていた社員たちが様々な方向に動き出す。
私の腕を小川さんが軽く掴む。
「野崎さん、どうしたの? 大丈夫?」
「あ、小川さん……」
私を支えるように、小川さんが背中に手を添える。
小声で「大丈夫です」と返した。杉田くんも近くにいて、私の顔を覗き込んだ。
「顔色、悪いよ。医務室、行く?」
「ううん……たいしたことないから」
「でも」
心配してくれる小川さんと杉田くんに笑顔を見せた。
「本当に大丈夫ですから。ありがとうございます」
安心してもらうようお礼を伝えたのだが、ふたりはまだ心配そうだ。そんなふたりの向こうから視線を感じた。
あ、蓮斗さん……。
一瞬目が合ったけれど、ふいっと逸らされる。蓮斗さんは社長と共に車の後部座席に乗った。
車が発進すると、見守っていた社員たちが様々な方向に動き出す。
私の腕を小川さんが軽く掴む。