その手をつかんで
「え、婚約者のお披露目?」

「そう。婚約披露パーティーはしないから、この機会に紹介したい」

「紹介ですか……」


聞くと、いろんな企業の社長などが集まるセレブなパーティーらしい。私はそんなパーティーには縁がない人間だったから、参加したこともない。

どんな規模のパーティーなのか想像も出来ないが、そんな場に蓮斗さんの婚約者として行く……しかも、来週?

急な話に頭がついていかない。 


「実は数年前から良い年頃の女性を紹介されることが多くて、見合いも何度かしている。いつも何かと理由をつけて断っているが、今年も誰かを紹介されると思う。で、父からの提案だけど、婚約者として明日花を紹介したほうがいいと考えてね」


そういえば、瑠奈からお見合いをしていてもなかなか決まらないと聞いたことがあった。決まらなかったのが、今となっては良かったと思える。


「そういうことでしたら……あ、私ドレス持っていないですけど、用意した方がいいですよね?」

「うん、そうだね。今日仕事終えてから、選びに行こう。瑠奈がよく利用している店でいいかな?」

「はい、お任せします」


ドレスというものが、どこで売っているのかわからない。私が普段利用しているショップではドレスを販売していない。
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