その手をつかんで
今年も残りは、あと二か月。一年が過ぎるのは早いけど、今年はいろんなことがあったかも。セットで頼んたバタークッキーを口に放り込む。
口の中をいっぱいにさせていると、突然横から呼ばれた。
「明日花?」
え、この声は……。
「うぇ、んんんん」
クッキーをまだ飲み込めていない私は、言葉にならない返事をした。
「大丈夫?」
蓮斗さんに心配され、頷いてから紅茶を飲んだ。そして、改めて彼を呼ぶ。
「蓮斗さん」
下の名前で呼ぶのは久しぶりだ。
「ここ、座らせてもらうね」
蓮斗さんは私の了承を得ないで、斜め向かい側に座った。
セイロンティーをオーダーしてから、私に微笑む。
「まさかここで会うとは思わなかったな」
「私もです」
「これから瑠奈のところに? それとも行った帰り?」
「行った帰りです」
蓮斗さんは行く前だという。知っていたけど、知らないふり。
手土産を買いに来て、まだ時間があるからとここで休憩しようと来たそうだ。
まさか休憩に同じ場所を選ぶとは、とんでもない偶然だ。他にもカフェはあるのに。
口の中をいっぱいにさせていると、突然横から呼ばれた。
「明日花?」
え、この声は……。
「うぇ、んんんん」
クッキーをまだ飲み込めていない私は、言葉にならない返事をした。
「大丈夫?」
蓮斗さんに心配され、頷いてから紅茶を飲んだ。そして、改めて彼を呼ぶ。
「蓮斗さん」
下の名前で呼ぶのは久しぶりだ。
「ここ、座らせてもらうね」
蓮斗さんは私の了承を得ないで、斜め向かい側に座った。
セイロンティーをオーダーしてから、私に微笑む。
「まさかここで会うとは思わなかったな」
「私もです」
「これから瑠奈のところに? それとも行った帰り?」
「行った帰りです」
蓮斗さんは行く前だという。知っていたけど、知らないふり。
手土産を買いに来て、まだ時間があるからとここで休憩しようと来たそうだ。
まさか休憩に同じ場所を選ぶとは、とんでもない偶然だ。他にもカフェはあるのに。